2018年9月14日 更新

梅干しが100年経っても腐らない理由とは?

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そもそも梅干しが腐らないって本当?

梅干しは日本を代表する保存食品のひとつです。
冷蔵庫や化学保存料なんて無かった時代から重宝されてきました。
昔から「梅干しは100年経っても腐らない」なんて話もありますが…それって本当なの?と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。

結論から言えば、梅干しを100年以上保存することは充分に可能です。
実際、100年~200年も漬け込まれた梅干しは全国各地に現存しており、適切に保存されているものなら食べても全く問題ないと言われています。
10年物や50年物といった梅干しは専門店で購入することも可能で、なかには1粒数千円もする高級な梅干しも存在します。

しかし勘違いしてはいけないのは、梅干しは長く漬け込むほど美味しくなるというわけではありません。
3年~5年ほど熟成させれば充分に美味しくなりますし、数十年も漬け込むと逆に風味が飛んでしまうことさえあるのです。
「100年漬け込むと美味しくなる」のではなく、あくまで「100年漬け込んでも腐らない」ということなのだと覚えておきましょう。

梅干しが腐らないメカニズム

どうして梅干しは100年経っても腐ることがないのでしょうか。
その理由は、梅干しが持つ「クエン酸」という成分にヒミツがあります。

そもそも食べ物が腐敗するのは、「腐敗菌」と呼ばれる雑菌が空気中に存在しているからです。
腐敗菌はどんなに小さなスキマからでも入り込み、食べ物に付着して腐敗を進行させてしまいます。

しかし梅干しに含まれるクエン酸は非常に強力な殺菌作用を持っていることから、ほとんどの腐敗菌を退けてしまいます。
クエン酸の殺菌効果は科学的な実験でも証明されており、「数種類の腐敗菌にクエン酸を添加した結果、約20分でほとんどが死滅した」という実験結果も出ています。
つまり梅干しには、腐敗の原因となる雑菌たちが入り込むことができないのです。

また、梅干しを作るのに欠かせない「塩」も腐敗を防ぐのに役立っています。
塩は防腐効果が高い食材の代表格で、漬物・醤油・味噌など多くの保存食に使われている調味料です。
多くの腐敗菌は塩に付着すると浸透圧で脱水されて死に至るため、塩分濃度の高い食品はそう簡単に腐らなくなります。

要するに梅干しは、「クエン酸」と「塩」という、非常に殺菌効果の高い成分を2つも併せ持っているのです。
科学的な検証すらできない時代に生まれた「100年保存できる食材」梅干しは、まさに日本人の叡智の結晶ともいえるでしょう。

スーパーで売っている梅干しは腐る!?

非常に優れた保存性を持つ梅干しですが、実は全ての梅干しが100年持つというわけではありません。
特に、スーパーで売られているパック詰めの梅干しなんかは1年足らずでアッサリ腐ってしまうこともあるので注意が必要です。

なぜかというと、最近の梅干しは健康志向が高まったことで「減塩」になっているものが多いからです。
だいたい塩分濃度8%以下になっている梅干しは全ての腐敗菌を防ぎきることができないため、パックのまま冷蔵庫に入れておくと半年~1年ほどでカビが生えてしまいます。

また、昔の梅干しは常温保存が前提でしたが、最近は「冷蔵庫に入れることを前提」にして作られている梅干しがほとんどです。
常温では扱いにくかったハチミツやカツオといった食材が加えられることも多くなり、そうした食材の添加によって腐敗する確率が高くなっています。
最近の梅干しは「保存性」を捨てて「美味しさ」を重視している製品が多いということですね。

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自家農園で有機JAS栽培(有機農産物1104-01A/有機加工食品1104-01B)
認定の梅としそを使い仕上げた梅干は、
一粒一粒を大切にしそに挟み漬け込むことで、
鮮やかな色合いと濃厚で爽やかな風味の一品となりました。
梅としそと塩だけの本来の梅干をご賞味下さい。
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